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ベクター加工

Ruby® を使用するレーザー装置向けのベクター加工手順ガイド

サンプルデザインの作成

ここに示す例は、Rubyで利用可能な幅広いカットの可能性を示すものです。各機能については、本ページの後半で詳細に説明します。

同様のサンプルを作成するには、まず画像をインポートするか選択し、その背景を削除します。 次に画像を必要なサイズにトリミングします。 画像トレース機能を使用して輪郭を生成し、オフセット機能を適用して輪郭を特定の値で調整します。ノードを修正し、カットラインをさらに滑らかにします。最後に、四角形を描き、結合機能を適用し、彫刻デザインのベースを作成します。

Ruby® におけるカットラインの定義と準備

1. カットラインの定義:

  • 材料パラメータ設定で、特定の色に「カット」エフェクトを割り当てます。デザインでその色を使用するすべての要素はカットされます。
  • レーザーは描かれた線の中心をカットするため、細いヘアラインも太い線も同じ精度でカットできます。

2. 塗りつぶされていないオブジェクトのみ:

  • カットするすべてのオブジェクトが塗りつぶされていないことを確認してください。塗りつぶされたオブジェクトは、カット対象として認識されません。
  • デザイン内の白い線は無視され、カットされません。

3. 図形最適化:

  • Ruby® は図形最適化という機能を使い、開いている輪郭の小さなギャップを自動的に閉じ、滑らかなカットパスを作り出します。
  • ギャップが意図的なものである場合(スクライビング用など)は、ユーザー設定でこの機能を無効にします。図形最適化設定は、ファイルのインポート時、またはレーザーキューへのファイル送信時に調整できます。

4. 内側の図形からカット:

  • 準備画面で「内側の図形から」オプションを有効にします。
  • これにより、内側の図形(穴など)が外側の輪郭よりも先にカットされるため、材料の安定性が保たれます。

5. 共通ラインカット:

  • 共通ラインカットは、材料の使用を最適化し、時間を節約します。
  • 隣接する図形間の重なり合った線を一度だけカットします。

オブジェクトの結合、修正、交差

1. 結合ツール

結合ツールは、オブジェクトが重なっているかどうかに関わりなく、2つ以上のオブジェクトを1つに結合します。オブジェクトが重なり合っている場合、交差する線は消え、塗りつぶされたオブジェクトは輪郭に変わります。オブジェクトが重なり合っていない場合、単一のオブジェクトとして扱われるグループが作られます。このツールを使用するには、2つのデザインを描画して選択してから「結合」アイコンをクリックすると、連続した輪郭が作られます。

2. 交差ツール

重なり合った部分から図形を作成する場合は、交差ツールを使用します。ソースオブジェクトを選択してからCキーを押すと、輪郭が破線に変わります。次に、交差させたいオブジェクトを選択します。交差アイコンをクリックすると、重なり合った部分から新しいオブジェクトが作られます。必要な場合は、ソースオブジェクトを削除できます。差分ツールを使用する

3. 差分ツール

差分ツールは、ソースオブジェクトと重なっている部分を削除し、その部分をカットして新しい形状を作ります。ソースオブジェクトを選択してからCキーを押してカットしたいオブジェクトでクリップし、次に「差分」をクリックします。必要な場合は、対象オブジェクトを削除できます。

4. 除外ツール

除外ツールは結合ツールと似た働きをしますが、交差線をそのまま保持します。除外ツールは、重なり合う部分を削除しますが、オブジェクトが交差する部分の線はそのまま残します。最初のオブジェクトを選択してからCを押し、次に2番目のオブジェクトを選択します。除外アイコンをクリックすると、交差する線を削除することなく1つのオブジェクトが作られます。

ビットマップトレース

ビットマップをベクターに変換する

Rubyを使用すると、ロゴやビットマップ画像をカット可能なベクターグラフィックに変換できます。ビットマップトレースは、ラスターグラフィック(JPEGやPNGなど)をベクターグラフィックに変換するプロセスです。ベクターグラフィックをより正確に操作できる機能は、カットや彫刻に役立ちます。画像内のエッジを検出し、ラスター画像からシルエット、ベクターテクスチャ、ロゴ、その他のデザインを作成するのに最適な機能がビットマップトレース機能です。

  • 処理したい画像を選択またはインポートします。
    Ruby® の「背景を削除」機能を使用して不要な背景を削除すると理想的な結果を得ることができます。
  • トレースアイコンをクリックして、ラスターグラフィックスをベクターパスに変換します。 トレース設定の調整

​​​​​外側の輪郭のみ: このオプションを選択すると、Rubyは画像の最も外側の輪郭のみをトレースし、内側のディテールを無視します。このオプションのチェックを外すと、Rubyは他の設定に基づいて画像のすべてのエッジをトレースします。

               1. クラスターサイズを無視: この設定は、類似した色合いの大きなピクセルグループを無視することで、ノイズを減らします。この値を大きくすると、Rubyはより大きなピクセルのクラスターを無視するようになり、不要なディテールが排除されることでトレースの質が向上します。ゼロに設定すると、Rubyはノイズを含むすべてのピクセルをトレースします。この値を大きくすると画質が向上します。

               2. 黒と白のしきい値 どのグレースケール値を黒として処理し、どの値を白として処理するかを決める重要な設定です。このスライダーを調整することで、画像内の明るい部分と暗い部分の境界を定義します。
例:値を50に設定すると、暗いピクセルを黒、それ以外を白として扱います。値を230に設定すると、ほぼすべてのピクセルを黒として処理します。オブジェクトだけをトレースし、背景を無視したい場合は、しきい値を低く(70など)します。この設定により、背景の明るい部分を無視して、より重要なディテールに焦点を当てることができます。特に複雑な画像の場合、この設定による大幅な変更はトレースの品質に影響を与える可能性があるため、慎重に行ってください。

               3. 平滑化レベル: トレースラインを滑らかにするための設定です。線にギザギザや角張りが見える場合は、平滑化レベルを上げることで滑らかになります。ただし、平滑化レベルを高く設定しすぎると、形状が歪むことがある点に注意してください。

ヒント:

  • コントラストの高い画像を使います。画像の前景と背景の境が明確なことを確認してください。明確なことで、トレースが容易になり、ノイズが減少します。
  • Ruby® の「背景を削除」機能を使用して、トレースする範囲を狭くするという方法もあります。

切ミゾ修正

カットラインの調整

レーザーで材料を切断すると、材料の一部がレーザー光により除去されるため、最終的なカット部分はデザインよりもわずかに小さくなります。切ミゾ修正は、デザインを調整することでこれを補います。カット部分を、デザインの内側(インセット)または外側(アウトセット)に調整できます。つまり、デザインのサイズを少し縮小(インセット)するか、拡大(アウトセット)するかして、カット部分を意図した寸法に合わせることができます。

  • 補正値の設定: 補正量を設定するには、設定の横にある矢印をクリックし、ミリメートル(mm)またはインチ(inch)単位で値を選択します。この補正量に応じて、カットパスが調整されます。
  • 調整の適用: 必要な補正量を選択したら、調整を適用するオブジェクトをクリックします。設定に基づき、デザインの輪郭が拡大(アウトセット)または縮小(インセット)します。この変更は選択したパスまたはオブジェクトに適用されます。Ruby® は元のオブジェクトを置き換えることを念頭に置いてください。元の形状を維持するには、コピーを作成し、コピーしたオブジェクトにインセット/アウトセットを適用します。

ヒント:

  • 切ミゾ修正は、塗りつぶされたオブジェクトや塗りつぶされていないオブジェクト、複雑な形状にも適用できます。ただし、一本の線や画像には適用できません。
  • 切ミゾ修正は現在のデザインの状態に基づいて計算されるため、適用するとすぐに機能することに留意してください。元に戻したり、やり直すことができる機能とは異なり、一度適用された修正は恒久的なものであり、自動的に元に戻すことはできません。

パス描画

直線とベジェ曲線を描画する

  • パスツールを起動: パス描画アイコンをクリックして、パス描画ウィジェットを開きます。これにより、正確な位置合わせのためのスナップオプションをカスタマイズできます。
  • スナップ設定(オプション):
    • スナップ角度(X軸/Y軸/セグメント):X軸、Y軸、または既存のセグメントにパスを合わせ、正確な比率を維持します。
    • スナップ値(角度/長さ):スナップの増分を定義します(例:45°、100 mmなど)。パスは設定した値またはその倍数(例:90°、200 mm)にスナップします。
  • 描画を開始する: 
    • 直線:
      • 左クリックで始点を設定します。
      • もう一度左クリックすると、さらに点が追加され線分が作成されます。
      • 右クリックでパスが完成します。
    • ベジェ曲線:
      • 左クリックで始点を設定します。
      • クリック&ドラッグでカーブを曲げてから離します。
      • 次のポイントに移動するか、右クリックでカーブを終了します。描画されたノードは異なる色で識別できます。
  • ノードの色と意味:
    • 黒色のノード:一般的なパスノード。
    • オレンジ色のノード:ベジェ制御点。
    • 緑色のノード:パスの始点。
    • 赤色のノード:パスの終点。

ノード編集

ノードの編集

ノード編集ツールを使用して、ノードを移動、追加、削除し、正確な調整を行います。ノード編集ウィジェットは、描画後またはベクターオブジェクト選択時に自動的に開きます。

重要な注記:ノード編集はベクターオブジェクトでのみ機能します。複雑な図形を編集するには、まずアイコンをクリックしてベクターに変換してください。

スナップオプション:

  • スナップを有効にする:ノードを移動している間も、位置関係と比率を維持します。
  • 角度と長さを表示する:ノード間の角度と距離に関する情報を表示します。
  • スナップ値(角度/長さ):ノードの位置を指定した増分(例:5°または5 mm)に固定します。
  • 以下の組み合わせで設定できます。
    • X軸 / 次のノード
      • は、次のノード上の補助的なX軸線
      • を示し、現在のセグメントとこの X軸線との間の角度を示します
    • X軸 / 前のノード
      • は、前のノード上の補助的なX軸線
      • を示し、現在のセグメントとこのX軸線との間の角度を示します
    • X軸 / 前のノード
      • は、前のノード上の補助的なX軸線
      • を示し、現在のセグメントとこのX軸線との間の角度を示します
    • X軸 / 前のノード
      • は、前のノード上の補助的なX軸線
      • を示し、現在のセグメントとこのX軸線との間の角度を示します
    • セグメント / 次のノード
      • は、現在のセグメントと次のセグメントの間の角度を示します
    • セグメント / 前のノード
      • は、現在のセグメントと前のセグメントの間の角度を示します

パス固有のオプション:

  • 閉じたパス:始点と終点のノードを直線で結びます。
  • 隣接する制御点をロック:ベジェ制御点をリンクして滑らかな曲線を作成します。
  • 表示/非表示の切り替え:ベジェ制御点または始点/終点の表示、非表示を切り替えます。

パスの編集

  • ノードの修正:
    • X/Y値:ノードの移動に応じて動的に更新されます。正確な座標を入力することもできます。
    • 点の追加:Shift + 左クリックでセグメントにノードを追加します。
    • 点の削除:ノードを選択し、右クリックして削除します。
  • パスの変換:
    • 曲線に変換:直線セグメントをベジェ曲線に変換します。
    • パスの分割:選択したノードでパスを2つのセグメントに分割します。

最後のヒント:

  • スナップオプションとノードツールを併用することで、クリーンで正確なデザインが実現します。
  • プロジェクトのニーズに合わせて、さまざまなパスオプションを組み合わせることができます(例:表示/非表示切り替え、制御点のロック)。

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