レリーフ彫刻
レーザー加工機によるレリーフ彫刻と、その上手な加工方法をご紹介します。
データの準備とレーザーデータへの出力
レリーフ彫刻のデータは、グラフィックソフトでグレースケールの濃度と階調を操作して作成することができます。黒0~100%の濃淡で様々な深さを材料に彫刻できます。グレースケール階調で濃淡や明暗を表現し、白と黒の中間に濃さの異なる複数の灰色を作ります。グレースケールで作成したデータをレリーフモード用に処理し、レーザー用データに出力します。
レリーフ彫刻のために新しいマテリアル効果を追加することができます。これは、独自のレイヤーを持つか、レリーフ彫刻を行いたいときにすぐにグラフィックで使用されているレイヤーを追加することができます。
レリーフ彫刻のサンプルとして、写真のデザインデータを用意しましたので、ダウンロードしてテスト加工にご利用ください。
高品質データおよび写真表現のヒント
高品質なデータや写真をレリーフ彫刻する場合は、3Dプログラムを使って製作するとよいでしょう。複雑な処理のため、3Dプログラムを使うとグレーステップのグラデーションをきれいに表現することができます。このようなデザインデータを作成できる3Dプログラムは、数社から提供されています。 例:Gantry GrayGraphicsレリーフ彫刻にはどの材料が適していますか?
レリーフの彫刻には、同じ層の構造である材料、あるいは色が完全に浸透していて、見た目も統一している材料に適しています。最も適しているのは、次の材料です。
木材のレリーフ彫刻
彫刻加工
木材のレリーフ彫刻では、次の方法を推奨します。 以下の数値は、Trotec Speedy 360、80Wレーザーを使用した場合です。 加工したいグラフィックデザインを希望の深さに彫刻するために、パス:3~4回、高い出力:パワー100%、遅い速度:v30%で繰り返し彫刻します。最後に低いレーザー出力と速いスピードで1,2回のラウンド(パワー60%、スピード100%)で彫刻します。これで煙を抑えた彫刻ができます。 かなり深い彫刻をしたい場合は、最初に輪郭を彫刻してから、次に深い彫刻の加工だけをお薦めします。クリーニング
歯ブラシで、水と石鹸あるは洗剤で、レーザー彫刻したレリーフ彫刻をクリーニングします。レリーフ全体をブラッシングし、削りカスの粉を取り除きます。この時、水をあまり使いすぎないようにし、圧縮空気などで材料をよく乾かしてください。木材が水を吸いすぎると、彫刻デザインが崩れてしまうことがあります。ヒント:木材のレリーフ彫刻で色を変化させる方法
木材のレリーフ彫刻で色を変えることができます。色を変えるために、上記の通り、レリーフ彫刻の後に加工した木材をよく洗ってください。これはこの後に加工する彫刻の仕上りのためにスモーク跡を取り除くためです。洗ってよく乾かした木材をレーザー機に戻して、JobControl の”パラメーター値からSolid Wood “blackを選んで彫刻します。+6mmのZオフセット値は、彫刻できれいに脱色するために重要です。効果が低すぎる場合は、Zオフセット値を上げて加工してください。アクリルのレリーフ彫刻
アクリルにレリーフ彫刻をすると、トロフィーや記念盾などにエレガントな効果を表現できます。アクリルにレリーフ彫刻する際は、エアアシストをオフにして、Zオフセット値を入力することが重要です。こうすると材料が曇ったり、白濁したりするのを防げるでしょう。
彫刻加工
以下の数値は、Trotec Speedy 360、80Wレーザーを使用した場合です。
レーザー出力を高く、彫刻スピードを遅くします。 (p=90%, v=10%)
彫刻では、エアアシストをオフにします。
これによって材料が十分に溶けます。機種の性能にもよりますが、一回目のパスで良いテクスチャーになります。パスを増やすと、3Dエフェクトのような深さのある加工ができます。同様にZオフセットも+2mm~+4mmを使用します。これはアクリルの透明さを損なわないようにするためです。
クリーニング
水を流しながら加工した作品から歯ブラシで彫刻カスを取り除いてきれいにします。
レリーフ彫刻のアプリケーション例
木製レリーフ彫刻の加工サンプルをご紹介します。
レリーフ彫刻のトロフィー
「ティーハウス」木製看板