レリーフ彫刻のトロフィー
レーザー加工機で木材に3Dのレリーフ彫刻を施した、立体的な優勝トロフィーの作り方をご紹介します。
準備
材料
- ハードメープル材:600x300mm、5mm、1枚
- アクリルガラス(キャスト材)、黒のサテン調:606 x 301 mm、3mm、1枚
- アクリルガラス(キャスト材)、メタリックシルバー色、両面ツヤあり:606 x 301 mm、1枚
- アクリル用接着剤
- 両面テープ、円形接着シート
このサンプルの材料は、トロテック・レーザー(オーストリア本社)が販売しているレーザー加工用の材料「トロテック商材」を使用しています。
※トロテック商材は日本で販売しておりません。類似品をご利用ください。
使用機種
- Speedy 360
- 80W
- 2.0インチレンズ
※他のSpeedyシリーズでも加工できます。
アクセサリー
- バキュームテーブル + ハニカムカッティングテーブル(木材用)
- バキュームテーブル + アクリル カッティング グリッド(アクリル用)
ステップ・バイ・ステップ
ステップ1:黒いベースプレートのデザインデータ出力
このページ下のデザインファイルをダウンロードして、cdrかpdfファイルをグラフィックソフト(CorelDRAWまたはIllustrator)で開き、製作したいサイズに調整してください。あるいはオリジナルのデザインを作図してください。このページのサンプルでは、黒いアクリルのベースプレートにリングの取り付け部分を彫刻して、そこにメタリックシルバーのアクリルリングを簡単に接着できるようにデザインしています。
次にデザインデータ(TroGlass Satins Black)をレーザー加工機用データ(=ジョブ)に出力します。デザインを選択し、グラフィックソフトの印刷でプリンター「Trotec Engraver」を選択、環境設定をクリック、出力設定タブを表示して下記を設定します。設定が完了したら最後に印刷のOKを押すと、JobControl(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアにデータが出力され、自動でジョブが生成されます。
印刷 > Trotec Engraver > 環境設定 > 出力設定
印刷のデータ出力設定
印刷設定(加工オプション)
加工モード | 解像度 | カットライン |
---|---|---|
標準 | 500dpi | なし |
ハーフトーン調整 | その他 |
---|---|
カラー | 高度なジオメトリ |
ステップ2:黒いベースプレートのレーザー加工
レーザーで彫刻とカットをして、トロフィーのベースプレートを作ります。先ずサテン調の黒いアクリルガラスをアクリル カッティング グリッドの加工テーブル上にセットします。
次にJobControl(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアをPC画面に表示し、ステップ1でデータ出力したジョブをJobControlのプレート上に配置します。それからJobControlの「材料テンプレート」を開いて、下記のパラメーターを設定します。パラメーターの設定後、レーザー加工を開始します。
パラメーター設定(彫刻)
カラー | 加工の種類 | パワー(%) | スピード(%) | 周波数(ppi/Hz) |
---|---|---|---|---|
黒 | 彫刻 CO2 | 40 | 10 | 500 |
パス(繰返し)1 | エアアシスト | Zオフセット | アドバンス |
---|---|---|---|
1 | on | 2mm | - |
パラメーター設定(スクラッチング)
カラー | 加工の種類 | パワー(%) | スピード(%) | 周波数(ppi/Hz) |
---|---|---|---|---|
赤 | カット CO2 | 8 | 0.8 | 5000 |
パス(繰返し) | エアアシスト | Zオフセット | アドバンス |
---|---|---|---|
1 | on | 1 mm | - |
パラメーター設定(カット)
カラー | 加工の種類 | パワー(%) | スピー(%) | 周波数(ppi/Hz) |
---|---|---|---|---|
青 | カット CO2 | 95 | 0.8 | 5000 |
パス(繰返し) | エアアシスト | Zオフセット | アドバンス |
---|---|---|---|
1 | on | - | - |
※パラメーターは、加工する材料の材質や色、そしてレーザー加工機の機種やレーザー出力(W)によって異なります。仕上がりの良い最適な加工を検出するために、いくつかのパラメーターでテストすることをお薦めします。
ステップ3:メタリック・アクリルのデザインデータ出力
このページ下のデザインファイル(cdrかpdfファイル)をグラフィックソフト(CorelDRAWまたはIllustrator)で開き、リングデザイン(TroGlass Metallic Anthracite)を選択します。
次にデザインデータをレーザー加工機用データ(=ジョブ)に出力します。デザインを選択し、グラフィックソフトの印刷でプリンター「Trotec Engraver」を選択、環境設定をクリック、出力設定タブを表示して下記を設定します。設定が完了したら最後に印刷のOKを押すと、JobControl(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアにデータが出力され、自動でジョブが生成されます。
印刷 > Trotec Engraver > 環境設定 > 出力設定
印刷のデータ出力設定
印刷設定(加工オプション)
加工モード | 解像度 | カットライン | ハーフトーン調整 | その他 |
---|---|---|---|---|
標準 | 600dpi | なし | - | - |
ステップ4:メタリック・アクリルのレーザー加工
メタリックシルバーのアクリルガラスをアクリル カッティング グリッドの加工テーブルにセットします。次にJobControl(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアをPC画面に表示し、ステップ3でデータ出力したジョブをJobControlのプレート上に配置します。それからJobControlの「材料テンプレート」を開いて、下記のパラメーターを設定します。パラメーターの設定後、レーザー加工を開始します。
パラメーター設定(彫刻)
カラー | 加工の種類 | パワー(%) | スピード(%) | 周波数(ppi/Hz) |
---|---|---|---|---|
黒 | 彫刻CO2 | 16 | 20 | 600 |
パス(繰返し) | エアアシスト | Zオフセット | アドバンス |
---|---|---|---|
1 | on | 1 mm | - |
パラメーター設定(カット)
カラー | 加工の種類 | パワー(%) | スピード(%) | ppi/Hz |
---|---|---|---|---|
赤 | カット CO2 | 50 | 0.2 | 5000 |
パス(繰返し) | エアアシスト | Zオフセット | アドバンス |
---|---|---|---|
1 | on | - | - |
※上記は、トロテックJobControl(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアの材料パラメーターデータに登録されているTroGrassの数値です。
ステップ5:レリーフ彫刻のデザイン
最後に3Dの木材彫刻用のデザイン(Solid Wood Maple)をレーザー加工機用データ(=ジョブ)に出力します。デザインを選択し、グラフィックソフトの印刷でプリンター「Trotec Engraver」を選択、環境設定をクリック、出力設定タブを表示して下記を設定します。設定が完了したら最後に印刷のOKを押すと、JobControl(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアにデータが出力され、自動でジョブが生成されます。
印刷 > Trotec Engraver > 環境設定 > 出力設定
印刷のデータ出力設定
印刷設定(加工オプション)
加工モード | 解像度 | カットライン | ハーフトーン調整 | その他 |
---|---|---|---|---|
レリーフ | 500dpi | なし | - | - |
ステップ6:レリーフ彫刻の加工
パラメーター設定(彫刻)
カラー | 加工の種類 | パワー(%) | スピード(%) | 周波数(ppi/Hz) |
---|---|---|---|---|
黒 | 彫刻 CO2 | 100 | 30 | 500 |
パス(繰返し) | エアアシスト | Zオフセット | アドバンス |
---|---|---|---|
3 (!!) | On | - | - |
パラメーター設定(カット)
カラー | 加工の種類 | パワー(%) | スピード(%) | 周波数(ppi/Hz) |
---|---|---|---|---|
赤 | カット CO2 | 100 | 1 | 1000 |
パス(繰返し) | エアアシスト | Zオフセット | アドバンス |
---|---|---|---|
1 | On | - | - |
ヒント
最初にカットしてから彫刻すると、木材を深めに彫刻できる場合があります。
ステップ7:組み立て
水で湿らせた布でアクリルを拭いてきれいにします。レリーフ彫刻した木材はブラシを使って、水洗いして削りカスを落としてください。
写真のように、ベースプレートに彫刻したリング部分にアクリル用接着剤を塗り、そこにメタリックリングをしっかりと取り付けます。リング内のベースプレートに両面テープか円形接着シートを付けて、その上にレリーフ彫刻したメープル材を取り付けます。
メープル材のスペーサーに両面テープを貼り、写真のように、ベースプレートにスペーサーを取り付けます。トロフィーがまっすぐ立つようにスペーサーとベースプレートで底面ができるようにして接着してください。
最後にWinnerのプレートを取り付けて、エレガントなトロフィーの完成です。
もっとアイデアをプラス!
様々な色や種類のアクリルと木材を使って、異素材を組み合わせたトロフィーを作ってみましょう。