治具を作るヒント
レーザー加工で治具(ジグ)を使用するメリットは?
治具に適した材料は?
治具を作る材料には、一般的に、レーザーでカットできる材料なら全て使用できますが、特にアクリルをチョイスするとコスト面や機能面で効果的です。アクリルは加工が簡単なので、どのようなデザインにも対応できます。
治具を作る際は、彫刻するパーツの厚さに注意して材料を選びます。アルミニウムタグのように薄い加工物は、加工後、素早く簡単に治具から取り出せるように、薄く平らな材料を治具に使用します。ペンのように厚みのある加工物は、治具からズレないように加工物より厚みのある材料が必要になります。
効率的な治具とは?
レーザー加工機なら、材料が入る機種の加工エリアサイズに合わせて、必要なサイズで必要な個数をレイアウトした治具が製作できます。
彫刻やマーキング用の加工には、加工物をしっかりと固定できるようにベースプレート(土台)付きの治具を作ります。ベースプレートがあると、加工物をセットした治具を作業台からレーザー加工機へと簡単に移すことができます。ベースプレートはそれゆえ固くしっかりとした材料で作ります。
また大量注文の加工には、同じ治具を2個以上製作しておくとより効率的です。なぜなら一つの治具で加工している間にもう一つの治具に材料をセットすることができるので、作業時間をもっと有効的に使えます。
治具に重要な加工物のアウトライン
治具を製作する上で、加工するモノのアウトライン(輪郭)データが必須です。加工物のアウトラインデータがない場合は、アウトラインをデジタル化して、グラフィックソフトで操作できるようにします。アウトラインの取り方については、次の方法があります。
その1:測定&線画またはトレース
加工物の輪郭が四角などのシンプルな形なら、形状サイズを測り、グラフィックソフトで線画、あるいはトレースします。
その2:スキャンまたは撮影&トレース
サンプル写真のハート型タグのように、加工物の外周がカーブや複雑な角度の場合は、加工物のスキャンをお薦めします。スキャンファイルをグラフィックソフトに取り込んで、輪郭をトレースしましょう。
加工物がとても分厚すぎてスキャナーで読み込めない場合は、ペンで紙にアウトラインを転写して、それをスキャンします。または上下の写真を撮って、トレースしてみましょう。
スキャンイメージをデータ化する際、グラフィックソフトによっては、自動変換できるフラッシュベクトル化の機能があります(例:CorelDRAWの場合は、ビットマップのトレース方法を参照して行ってください)。ただし自動変換の場合、必要のないノードやパスが変換中の輪郭にたくさん埋め込まれる可能性があるので、できるだけマウス操作で輪郭をトレースすることをお薦めします。
アウトラインで注意することは?
加工物のアウトラインを配置する時は、加工物に彫刻する位置を考慮して直線上にレイアウトします。直線上に配置すれば、彫刻したいデザインやテキストをアウトラインに合わせて回転させる必要がないので、彫刻データの配列が簡単になります。
またキーホルダーのようにチェーンを通す穴がある場合は、予めデータにもチェーン穴をデザインしておくとよいでしょう。誤って、穴の箇所に彫刻してしまうことを防ぐことができます。
治具の加工データが完成したら、治具のアウトラインをカットして、加工物をはめ込んでみましょう。不適切な位置があれば修正します。治具をテストする際は、製造上ばらつきがでる可能性があるので、毎回、何個か複数の加工物を使ってチェックしてください。
ヒント
写真の治具のように、半円形のカットアウトをアウトラインに追加すると、加工後に厚みの薄い加工物(例:タグ)が簡単に治具から取り外せます。治具の製作にはどのレンズを使いますか?
その他のヒント
- 色々な治具をたくさん使用する場合は、グラフィックファイル名を治具本体に彫刻しておきましょう。加工したいモノの治具が簡単に見つかり、作業効率が上がります。
- 治具のゼロポイントに角マーク等を入れて、左上が簡単にわかるようにしておきましょう。加工テーブル上に治具をすぐにセットできます。
- 小型でハンディタイプの治具の場合は、フォルダや箱に入れて保管にしておくと便利です。また必要であれば治具に穴を作って紐やリング等で束ねておきましょう。そうすると治具がバラバラにならずにきちんと管理することができます。
- 彫刻のジョブをレーザーに送信する時、治具のアウトラインを含んだ全体のグラフィックデータを毎回送信することになります。そこで加工物を彫刻する前に、材料データベースのパラメーターで赤色をPositioning(配置)に設定します。こうすると治具がレーザー加工機で正しく位置決めされているかどうかを確認するのに役立ちます。