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布地をレーザー加工するヒント

レーザー技術とテキスタイルは素晴らしい組み合わせです。レーザーを的を絞って使用することで、テキスタイルに高品質の仕上がりをもたらします。しかし、パターンも非常に簡単に実現できます。天然繊維と合成繊維をレーザー加工する際の考慮事項をご覧ください。

天然素材のレーザー加工

原則として天然素材のレーザー加工は、彫刻もカットも対応可能です。但し、生地によってはほつれが出たり、木材のカットと同様に切断面が茶色に変色することがあります。その場合は、レンズ、パラメーター、エアアシストなどを適切に調整することで、ほつれや変色を少なくすることができます。 逆にレーザーではこのような変色反応を活かして、クッションやTシャツのファブリック製品に文字や模様を彫刻することができます。布地へのレーザー彫刻はプリントのように仕上がります。レーザー彫刻で変色を施す際は、布地の基本色が決め手になります。
レーザー加工に適した天然素材の布
  • コットン(綿)
  • シルク(絹)
  • リネン
  • 皮革
  • デニム

濃い色の天然素材をレーザー彫刻

濃いデニムやコットン生地をレーザー彫刻すると簡単にブリーチ(漂白)できます。濃い色の天然繊維をレーザー彫刻する場合は、低いレーザー出力(100Wで最大約20%)に設定し、材料によってはZオフセット機能をオフにすることが重要です。 【注意】強いレーザー出力で加工した場合、また解像度が高すぎる場合は、最初に洗濯した直後に、生地が破れたり、繊維が溶けたりするかもしれません。デザインによっては、250~500dpiの解像度が適切です。

明るい色の天然素材をレーザー彫刻

明るい布地に濃い彫刻を施すには、慎重にフォーカスをずらす必要があります。例えば生地によっては約2~20mmのZオフセットを使用します。Zオフセット機能は、レンズが材料から離れていればいるほど、レーザースポットが大きくなるという原理を活かしています。

天然素材のレーザーカット

カットのパラメーターには、周波数1000~3000㎐を設定します。カットラインの焦げを防ぐために、直径が一番小さいノズルを使って、エアアシスト機能をオンにすることをお薦めします。

合成繊維のレーザー加工

合成繊維の布はレーザー加工との相性がとても良いです。合成繊維の成分にはポリエステルのようにプラスチックが含まれています。レーザー光はプラスチックを熱で上手に溶かすので、断裁面がシールド(溶着処理)された加工になり、ほころびやほつれが出ません。 さらにレーザー彫刻では、レーザー光が布を溶かすことによって、実際に手で触れてわかる加工が施せます。レーザーを使えば、様々なデザインや模様を布地に彫刻することで商品のオリジナル装飾が簡単にできます。
レーザー加工に適した合成繊維の布
  • ソフトシェル
  • 合成皮革
  • 合成繊維のフェルト
  • マイクロファイバー
  • ベロア
  • カーペットの生地
  • フリース素材の生地

合成繊維のレーザー彫刻

合成皮革、フリース、フェルトのような素材は、レーザー彫刻に適しています。合成素材は加工中に溶けてコントラストの良い加工が可能です。均一に彫刻するには、生地によりますが、Zオフセットを1~5mmに、解像度を最大500dpiに設定します。 薄い合成ファイバーなどの素材は加工中に溶けてしまうため、合成繊維の種類によってはレーザー彫刻に適していません。グレースケールマトリックスを作成して活用すると、均一な彫刻が可能かどうかを簡単にテストできます。

合成繊維のレーザーカット

合成繊維はレーザーカットに最適です。レーザー光の照射でプラスチック成分の繊維が結合してシールド(溶着処理)されます。この熱処理によって、ほつれを防ぐので裾上げ作業の必要がなく、連続的に加工しても時間を節約することができます。合成繊維をカットする際は、周波数1000~3000Hzを推奨します。また、煙の燃えカスや焦げのない、綺麗な断面で布地をカットするには、低いスピードと高すぎるパワー(出力)を組合せてカットしないことが重要です。 【注意】合成繊維の種類によっては、特に合成皮革などにはPVCが含まれていることが多いです。PVCはレーザー加工に適していません。PVCを含んだ材料を加工すると、有害なガスや粉塵が発生し、操作する人やマシンの機能に危険を及ぼす場合があります。 レーザー加工に適していない材料

パラメーターの設定

カットのパラメーター

テキスタイルは天然素材または化学繊維から作られています。したがって布地を構成している成分は様々です。各布地に適したパラメーターを見つけて設定することが大事です。

パラメーターは使用する機種のプラットフォームや機器構成(コンフィギュレーション)によって異なるため、パラメーターの設定は、レーザー加工機の機種、トロテック製品の場合はSpeedyシリーズSPシリーズで区別することが重要です。

直線が多くて大きな形状をカットするには、一般的にレーザーの出力が高ければ高いほど、材料は速く切れます。Speedyシリーズの場合、約15%のスピードアップが可能ですが、小さい形状で細かいカットを実行するには、スピードとレーザー出力を下げることが必要です。例えば、写真のような花模様のカットでは最大3%のスピードでカットしています。

SPシリーズの場合は、ハードウェアとソフトウェアの統合がパラメーター設定をサポートしているので、直線加工に最適なスピードで設定できます。SPシリーズは自動的に外周の実力値を調整し、最適なカットの仕上りに加工できるので、レーザーの機種によっては、レーザー出力100%にまで加速することができます。

デニムのグレースケールマトリックス

彫刻のパラメーター

グレースケールマトリックスを作成して活用すると、希望する彫刻のパラメーターが簡単に素早く見つかります。 【ヒント】焦点をずらす程(Zオフセットを約0.5~20mm)、濃い彫刻がテキスタイルに施せます。レーザー光の焦点をずらすと、レーザースポットのサイズが大きくなり、パワー密度(density)が下がり、材料がさらに燃焼します。

アイロンプレス機で接着できるLaserflexx

トロテックのLaserflexx(レーザーフレックス)は、レーザー加工用として特別に設計された多層ポリウレタンフィルムです。お好きなデザイン、ロゴ、文字をスクリーン仕上げのようにアイロンプレス機で簡単に接着できるので、衣服やファブリック製品を個性的に装飾できます。このフィルムを加工する際は、集塵機能を最大にし、加工済み部分に粉塵が落ちないように下から上へ加工することがお薦めです。

※現在、日本では販売しておりません。
※最適なレーザー設定はご利用になる機種のレーザー出力とスピードによって異なります。

Laserflexxの商品情報(英語)


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