金属のレーザーマーキング
「アニーリング」
アニーリングとは、レーザーマーキング方法の一つ。
ステンレスなどの金属の表面に、凹凸のない滑らかなマーキングに仕上がります。
マーキング過程
アニーリング加工中、金属は削られているのではなく、レーザーの熱によって金属の温度が上昇し、変色が起こっています。例えば、ステンレススチールは、200℃~300℃間の温度に達した時、色が変わります。
異なる温度で、異なるカラー
温度が異なるとマーキングの色も異なります。通常、マーキングが目指す色は完璧な黒です。完璧な黒はステンレススチールやチタン、そして鉄を含んだ合金のマーキングには再現できますが、他の金属にはできません。
熱による変色
金属にアニーリング加工するのに、金属を気化させるのではなく、熱を与えているだけというのが重要です。これによって、スチールへのレーザーによるエネルギー密度を減らすことができます。
金属は揮発させずに熱くなるので、焦点をずらして照射スポットを広げることによってエネルギー密度が減少します。さらに金属をゆっくりと温めて、遅い加工スピードで加工していきます。
※アニーリングは、焼きなまし(材料を適当な温度に加熱した後ゆっくり長時間冷却する熱処理)とも言われます。
アニーリングのマイナス要素
従来のアニーリング方法は、金属がゆっくりと熱くなるように、レーザーの照射スポットを広げて焦点をずらし、かなり遅いスピードでマーキングしていきます。
この方法によって、ステンレススチール等の金属に均一で濃い黒(部分的に別の色になる場合もあります)のマーキングができます。しかしスポット径が大きく、加工スピードが遅いために、次のようなマイナスな要素もあります。
- 小さくて細かなデザインが鮮明にマーキングできない。
- 彫刻や研磨など、他の金属マーキング方法と比べて加工時間が長い。
- 腐食に敏感になります。それは集中的に強い熱が照射されるので、マーキングによって腐食する原因になることがあるからです。
マイナス要素を解決!焦点位置でアニーリング
トロテックのガルバノレーザー「SpeedMarkerシリーズ」なら、アニーリング加工による上記のマイナス要素を解決できます。
※SpeedMarkerシリーズは、現在、日本で販売しておりません。
SpeedMarkerシリーズに搭載されている最新のファイバーレーザーとSpeedMarker3.6レーザーマーキングソフトウェアによって、焦点をずらさずにフォーカス点でのアニーリングのレーザーマーキングを行うことができます。それにより、加工スピードが10倍速くなります。
SpeedMarkerシリーズのユーザーは、アニーリングのレーザーマーキングにおいて、次の必要条件を満たすことができます。
- 腐食への過敏が少なくなる、または無くなります(熱の温度がとても低くなるため)。
- マーキングの加工時間が速くなります(パラメーターとレンズによります)。
- 非常にシャープなマーキングが可能です(焦点位置にマーキングできるため)。