ミラーアクリルの
回転ディスプレイ
ミラーアクリルで回転するディスプレイを作りませんか? 表面が鏡のように映るアクリル素材でディスプレイを創れば、アクセサリーや時計、香水瓶などを飾るのにピッタリです。しかもトロテックのレーザー加工機を使えば簡単に作れます。
準備
材料
- ミラーアクリル(TroGlass Mirrorローズゴールド ):サイズ608 x 610 mm、厚さ2.9 mm
- MDF : サイズ600×300mm、厚さ6mm
- 透明アクリル(TroGlass Clear):サイズ606 x 301 mm、厚さ3 mm
- 透明アクリル(TroGlass Clear):サイズ598 x 297 mm、厚さ8 mm
- 紙300g:サイズA3
- 直径42mmのボールベアリング
- 加工テーブルを覆う材料(紙など)
- 接着剤、ハサミ
このサンプルの材料は、トロテック・レーザー(オーストリア本社)が販売しているレーザー加工用の材料「トロテック商材」を使用しています。
※トロテック商材は日本で販売しておりません。類似品をご利用ください。
使用機種
- Speedy 400 flexx
- CO2:120W、ファイバー:50W
- 2.0インチレンズと2.85 flexxインチレンズ
- 加工テーブル:バキュームテーブル+ハニカムカッティングテーブル、アクリル カッティング グリッド
※他のSpeedyシリーズまたはSPシリーズのモデルでも加工できます。
参考
ディスプレイの中にLEDライトを取り付けると、TroGlass Mirror(ミラーアクリル)が内側から光ります。ライト・イルミネーションが不要であれば、TroGlass Clear(クリアアクリル)をMDFに変更することも可能です。
サイズやデザインをアレンジして、オリジナルのディスプレイも作ってみましょう。
ステップ・バイ・ステップ
ステップ1:MDFのデザインデータ出力
このページのデザインファイルをダウンロードして、グラフィックソフト(CorelDRAWまたはIllustrator)で開きます。必要があればご希望のサイズ等に調整してください。
次にデザインデータをレーザー加工機用データ(=ジョブ)に出力します。MDF 6mmデザインを選択し、グラフィックソフトの印刷でプリンター「Trotec Engraver」を選択、環境設定をクリック、出力設定タブを表示して下記を設定します。設定が完了したら最後に印刷のOKを押すと、JobControl(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアにデータが出力され、自動でジョブが生成されます。
印刷 > Trotec Engraver > 環境設定 > 出力設定
印刷のデータ出力設定
印刷設定(加工オプション)
加工モード | 解像度 | カットライン |
---|---|---|
カットジョブ | 1000dpi | なし |
ハーフトーン調整 | その他 |
---|---|
カラー | 高度なジオメトリ 最初に内部ジオメトリ |
Info:
MDF 6mmのデザインにある小さな青い丸は、後でボールベアリングにキューブを取り付けるために使用します。この円は、使用するボールベアリングの内径サイズに溶け幅+0.2mmのサイズになっています。
ステップ2:MDFのレーザー加工
2インチレンズをヘッド部に取り付けます。MDFをハニカムカッティングテーブル上にセットしします。加工テーブル上に空きスペースがあれば、吸引力を高めるために紙などで覆います。
次にJobControl®(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアをPC画面に表示し、ステップ1でデータ出力した加工する材料のジョブをJobControlのプレート上に配置します。それからJobControlの「材料テンプレート」を開いて、下記のパラメーターを設定します。パラメーターの設定後、レーザー加工を開始します。
レーザー・パラメーター | カラー | 加工の種類 | パワー % | スピード % | 周波数(ppi/Hz) |
---|---|---|---|---|---|
カット | 黒 | カットCO2 | 5 | 1 | 1000 |
カット | 赤 | カットCO2 | 100 | 0.6 | 1000 |
カット | 青 | カットCO2 | 100 | 0.6 | 1000 |
レーザー・パラメーター | パス(繰返し) | エアアシスト | Zオフセット | アドバンス |
---|---|---|---|---|
カット(黒) | 1 | On | 0mm | - |
カット(赤) | 1 | On | 0mm | - |
カット(青) | 1 | On | 0mm | - |
ヒント:
木材のエッジを綺麗にカットするために、口径7mmではなく、口径3mmのショートノズルの使用をおススメします。
※パラメーターは、加工する材料の材質や色、そしてレーザー加工機の機種やレーザー出力(W)によって異なります。仕上がりの良い最適な加工を検出するために、いくつかのパラメーターでテストすることをお薦めします。
ステップ3:クリアアクリル3mmのデザインデータ出力
クリアアクリルで透明キューブのパーツを作ります。この透明キューブは、上下にXマークの付いたパーツ2個、横はLEDライトを入れるために3面で作って1面空いたキューブにします。
デザインファイルを開いてTroGlass clear 3mmのデザインを選択し、グラフィックソフトの印刷でプリンター「Trotec Engraver」を選択、環境設定をクリック、出力設定タブを表示して下記を設定します。設定が完了したら最後に印刷のOKを押すと、JobControl(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアにデータが出力され、自動でジョブが生成されます。
印刷 > Trotec Engraver > 環境設定 > 出力設定
加工モード | 解像度 | カットライン |
---|---|---|
カットジョブ | 1000dpi | なし |
ハーフトーン調整 | その他 |
---|---|
カラー | 高度なジオメトリ 最初に内部ジオメトリ |
ステップ4:クリアアクリル3mmのレーザー加工
厚さ3mmのクリアアクリルをハニカムカッティングテーブル上にセットしします。加工テーブル上に空きスペースがあれば、吸引力を高めるために紙などで覆います。
次にJobControl®(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアをPC画面に表示し、ステップ3でデータ出力した加工する材料のジョブをJobControlのプレート上に配置します。それからJobControlの「材料テンプレート」を開いて、下記のパラメーターを設定します。パラメーターの設定後、レーザー加工を開始します。
加工の種類 | カラー | 加工の種類 | パワー % | スピード % | 周波数(ppi/Hz) |
---|---|---|---|---|---|
カット | 黒 | カット CO2 | 8 | 1 | 1000 |
カット | 赤 | カット CO2 | 80 | 0.5 | 5000 |
加工の種類 | パス(繰返し) | エアアシスト | Zオフセット | アドバンス |
---|---|---|---|---|
カット (黒) | 1 | On | 0.5mm | - |
カット (赤) | 1 | On | - | - |
Info:
透明キューブは、ディスプレイ内部のパーツなので、最終的には見えません。したがって、アクリル用の加工テーブルには、通常、アクリル カッティング グリッドの方が適していますが、このパーツの加工にはハニカムカッティングテーブルでも良いでしょう。
このキューブのデザインは、makeabox.ioのサイトを活用して制作しています。ジョイント部がピッタリ合致するように、透明アクリル(3mm)のカーフ(溶け幅)は0.25mmの設定です。
ステップ5:クリアアクリル8mmのデザインデータ出力
厚さ8mmのクリアアクリルで、サイドパネルをサポートするディスプレイの土台を作ります。サイドパネルには紙にミラーアクリル(TroGlass Mirror)を取り付けたパーツを巻きます。
デザインファイルを開いてTroGlass Clear 8mmのデザインを選択し、グラフィックソフトの印刷でプリンター「Trotec Engraver」を選択、環境設定をクリック、出力設定タブを表示して下記を設定します。設定が完了したら最後に印刷のOKを押すと、JobControl(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアにデータが出力され、自動でジョブが生成されます。
印刷 > Trotec Engraver > 環境設定 > 出力設定
加工モード | 解像度 | カットライン |
---|---|---|
カットジョブ | 1000dpi | なし |
ハーフトーン調整 | その他 |
---|---|
カラー | 高度なジオメトリ 最初に内部ジオメトリ |
ステップ6:クリアアクリル8mmのレーザー加工
厚さ8mmのクリアアクリルをアクリル カッティング グリッド上にセットしします。加工テーブル上に空きスペースがあれば紙などで覆います。それによって吸引力を高めることができ、発火の可能性も低くすることができます。
次にJobControl®(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアをPC画面に表示し、ステップ5でデータ出力した加工する材料のジョブをJobControlのプレート上に配置します。それからJobControlの「材料テンプレート」を開いて、下記のパラメーターを設定します。パラメーターの設定後、レーザー加工を開始します。
レーザー・パラメーター | カラー | 加工の種類 | スピード % | スピード % | 周波数(ppi/Hz) |
---|---|---|---|---|---|
カット | 黒 | カット CO2 | 8 | 1 | 1000 |
カット | 赤 | カット CO2 | 95 | 0.25 | 20000 |
レーザー・パラメーター | パス(繰返し) | エアアシスト | Zオフセット | アドバンス |
---|---|---|---|---|
カット (黒) | 1 | On | 0mm | - |
カット (赤) | 1 | On | - 2mm | - |
ステップ7:ミラーアクリルのデザインデータ出力
最後にディスプレイの見える部分、つまり重要なパーツをミラーアクリルで作ります。
デザインファイルを開いてTroGlass Mirrorのデザインを選択します。TroGlass Mirrorのデザインには長方形と円形の2種類があります。加工には同じパラメーターを使用しますが、別々のジョブを作成した方か位置決め等で作業しやすいでしょう。
長方形のデザインを選んだらグラフィックソフトの印刷でプリンター「Trotec Engraver」を選択、環境設定をクリック、出力設定タブを表示して下記を設定します。設定が完了したら最後に印刷のOKを押すと、JobControl(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアにデータが出力され、自動でジョブが生成されます。円形のデザインも同様にして、ジョブを作成します。
印刷 > Trotec Engraver > 環境設定 > 出力設定
加工モード | 解像度 | カットライン |
---|---|---|
標準 | 500dpi | なし |
ハーフトーン調整 | その他 |
---|---|
カラー | 高度なジオメトリ 最初に内部ジオメトリ |
ステップ8:ミラーアクリルののレーザー加工
ミラーアクリル(TroGlass Mirror)の加工には、2.85インチレンズをレーザーヘッド部に取り付けます。JobControlも2.85インチの設定をします。反射する面は下にして加工します。
長方形(短冊)の加工:両面テープをミラーアクリルの裏面に貼ります。カット後、写真のようにカットしたままの状態、つまりカットの外枠を治具として使い、短冊の両面テープを剥がして上からディスプレイに巻き付ける紙を貼ります。(グラフィックデータのグリーン線は短冊を貼る紙の大きさを示しています。)こうすれば短冊を紙に正しく貼ることができます。
円形の加工:ミラーアクリルを加工テーブルに置いて彫刻とカットをします。両面テープは必要ありません。
加工 | カラー | 加工の種類 | パワー % | スピード % | 周波数(ppi/Hz) |
---|---|---|---|---|---|
彫刻 | 黒 | 彫刻 FLP | 25 | 30 | 30000 |
カット | 赤 | カット CO2 | 15 | 1.5 | 5000 |
カット | 青 | カット CO2 | 35 | 0.4 | 5000 |
ポジション | 緑 | ポジショニング | - | - | - |
加工の種類 | パス(繰返し) | エアアシスト | Zオフセット | アドバンス |
---|---|---|---|---|
彫刻 (黒) | 1 | On | 0mm | 高品質 |
カット (赤) | 1 | On | 2mm | - |
カット (青) | 1 | On | 0 | - |
ポジショニング (緑) | - | - | - | - |
Info:
このサンプルではミラーアクリル(TroGlass Mirror)の彫刻をファイバーレーザーで加工しています。TroGlass Mirrorの彫刻では、ファイバーレーザーの方がベストな仕上りになるでしょう。
またミラーアクリルの彫刻は裏面に加工を施すので、文字等などがあるデザインの場合は、デザインデータを反転して加工してください。
ヒント:
このサンプルで短冊を貼り付ける紙のサイズは610×105mmです。このサンプルの場合、レーザーでカットするよりもクラフト用のナイフかハサミでカットした方が簡単でしょう。
ステップ9:ディスプレイの組み立て
大きいMDFの円盤(直径194mm)の中心にボールベアリングを取り付けます。それからその上にMDF の円盤(直径160mm)を接着剤で取り付けます。
カットした透明アクリルのパーツを四角に組み立てます。上下にXマークの付いたパーツ、横はLEDライトを入れるために3面で作って1面空いたキューブにします。透明アクリル中央のXマークの上に小さなMDF円盤(直径20.2mm)を接着剤で取り付けます。接着剤が乾いたら透明アクリルのキューブをボールベアリングに取り付けます。
透明アクリルの円盤(8mm厚)の円周に両面テープを貼り付けます。接着剤で透明キューブの上に透明の円盤をくっつけます。その際キューブのもう一面のXマークとクリアアクリルのXマークとを合わせると中心に取り付けられます。
短冊のミラーアクリルを取り付けた紙を用意します。ディスプレイの上部(透明アクリルの円盤)を下にし、円盤の両面テープを剥がして、紙を取り付けます。この時、透明アクリルの開いている面が巻き付けた紙の最初と最後、つまり紙が開く箇所にくるようにします。ディスプレイにライトを入れる場合は、この紙の貼り合わせる部分を開けられるようにしておきます。
最後に透明アクリルの円盤部分を上にして、加工したミラーアクリルを接着剤で取り付けて完成です。この光るディスプレイに商品を飾れば注目されること間違いないでしょうか。
なぜトロテック商材がこのサンプルには適しているの?
豊富な種類、色、ハイライト
これらの言葉はトロテック商材のアクリルを表現するのに最適です。なぜならトロテック商材のTroGlassアクリルは、レーザー加工用に開発されている材料なので、彫刻やカットの加工で品質の高い仕上りになります。
また、TroGlassシリーズにユニークな新種類、TroGlass Mirror(ミラーアクリル)が加わりました。ぜひ試してください。TroGlass Mirrorは押し出しのアクリルです。表面が鏡のように反射するので、本物の鏡の代替品として加工できるアクリルです。
もっとアイデアをプラス!
- 香水、時計、チョコレートなどの商品の販売コーナーにこの回転ディスプレイを使用すると、特別品のように見せる効果があるでしょう。
- 回転不要ならボールベアリングを入れないバージョンを作ってみましょう。ライトも不要ならさらに簡単にディスプレイを制作できるでしょう。
- 少しだけテクニックを使えば、ディスプレイを逆さにしてファンキーランプのように使えます。ぜひやって見てください。