加工テストなしで
パラメーターを決める方法
最適なパラメーターを見つけ出すためには、十分に加工テストを行うことが一番の良い方法です。しかし、加工テストをする時間がほとんどない時はどうすればよいでしょうか?例えば、お客様が材料を持ってきて、急いで加工しなければならない時など。その場合の対処方法をご紹介します。
既存データの活用
- 材料データベース
トロテックのレーザー加工専用ソフトウェア(ジョブコントロール)には、様々な材料のパラメーターが予め保存されています。これらのパラメーターは、基準としての参考値となり、ご利用の機種やレーザー出力(W)に合わせて調整できます。 - 類似した材料のデータ
似たような材料を加工したことがあれば、そのデータを使用してみます。
加工サンプルからのヒント: このウェブサイトでは、材料別に 加工サンプルをご紹介しています。実際の加工に使用したパラメーターも掲載していますので、お探しの材料やパラメーターが見つかるかもしれません
ステップバイステップ
パラメーター設定のポイント
既存データだけは少し不安ですか?では適切なパラメーターを決めるポイントをステップ順にご説明します。
ステップ1:材料に適したレーザー発振器を選択
先ず加工する材料が加工に使用する機種のレーザー発振器および加工の種類に対応しているかを確認します。下記は代表的な材料の対応表です。レーザー発振器のCO2、fiber、flexxを選ぶと、対応している材料と加工の種類がわかります。
ステップ2:適したレンズを選択
次に正しいサイズのレンズを取り付けます。レンズの選択は、加工したい材料とデザインのディテールによって常に決まります。大まかには、デザインのディテールが細かければ細かい程、レンズのサイズは焦点距離の短い種類を選びます。様々なレンズサイズの中で、多くのアプリケーションに対応できるオールラウンドレンズは、2インチレンズです。その他、正しいレンズの選び方について、詳しくは下記ページをご覧ください。
ステップ3:最適な解像度を設定
解像度は、デザインのサイズだけではなく、彫刻する材料によって決まります。最適な解像度の選び方について、詳しくは下記ページをご覧ください。
ステップ4:スピードの調整
加工するデザインによって、加工スピードを調整します。小さくてディテールの細かいデザインは最大30%まで速度を落とします。一方、大きなサイズを彫刻する場合は早いスピードに設定します。
ステップ5:レーザー出力の調整
最後に加工スピードに従って、レーザー出力を調整します。例えば、最大30%までの遅いスピードの場合は、約20%までの低いレーザー出力を使います。30%以上の速いスピードの場合は、レーザー出力ももっと上げることができます。
ヒント:これまで加工したことがない材料を取り扱う場合は、できるだけレーザー出力を低くし、パス切り(繰り返しカット)を多くする方が、簡単かつ安全に良い仕上りになるでしょう。
パラメーターを決める際の基本ルールは、「速いスピード、低いレーザー出力」で加工してみましょう!
正しい位置決め
希望通りの加工に仕上げるには、材料を正しい位置にしっかり固定して加工することが重要です。
材料を加工テーブル上の正確な場所に設置するために、あるいはソフトウェア上の彫刻ジョブやカットジョブを正しく配置するために、(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアにプログラムされている位置決め便利機能 の使用をお薦めします。
加工テーブル上の位置決めでは、原点O(座標0,0)に材料を置いて固定するのが一番です。ズレやすい材料の場合は、治具やレゴブロックなどを使って材料をしっかりと固定します。レーザー加工の位置決めでは、加工中、材料が動かないようにしっかりと固定することがポイントです。