flexxレーザーの導入で
生産性を倍増
ABBは、金属やプラスチック部品の確実なマーキングのために理想的な装備となるSpeedy 300 flexxを2台導入しました。レーザー技術の柔軟性は、ABBの生産能力をさらに拡大するための鍵です。
業界を牽引する世界的リーダー
ABB株式会社は、100カ国以上に拠点を置くグローバル企業です。英国とアイルランドの15カ所に1,800人の従業員を擁するABB社は、より生産的で持続可能な未来の実現に注力しています。オートメーション、ロボット工学、モーションなどの幅広い製品ポートフォリオを揃え、業界で革新的な実績を長年積み重ねてきたことにより、ABB社はこの分野のマーケットリーダーになりました。
また、ABB社は、英国全土のさまざまな業界の顧客に、年間約5億ポンド相当の製品を供給しています。
解決したのはトロテックのflexxレーザー
ABB社では、新製品の発売前、シリアル番号やその他の重要な情報を油性のマーカーペンでマークすることが多く、部品にマーキングする実用的なプロセスがありませんでした。しかし、新しい製品には規制情報を製品にマーキングすることが必須要件だったため、より耐久性のあるマーキング方法が求められていました。
ABB社の電極部とガス分析部の2つのチームは、できるだけ多くの内部処理機能を社内で所有したいと考えていたので、部品マーキングの新しい方法(機器)を探すことで意見が一致しました。その結論に至った理由は、自社でマーキング製品を開発することは、内部ソリューションがないのでコストのかかるプロセスになります。またアウトソーシングする案もありましたが、追加のコストは別として、長いリードタイムにつながり、生産が遅くなるとの結論になったからです。
こうしてマーキング機を導入する議論が進められていく中で、両チームの要件に対応可能な解決策として浮上したのがレーザー技術です。そこで、ABB社の製造エンジニアであるデビット・ホスキンズは、レーザーテクノロジーの性能や可能性を調査し、レーザーについてトロテックに問い合わせました。
トロテックとの打合わせで、デビッドはSpeedy flexx(スピーディ フレックス)モデルを紹介されました。このflexxモデルは、CO2とファイバーレーザーの両方を1台のマシンに搭載したレーザー加工機なので、アクリルや木材だけでなく、プラスチックや金属などより広範囲の材料を加工できます。デビッドはそのデュアルソース(2種類のレーザー発振器)に魅了されました。
デビットは、打合わせを通して、トロテックのflexxモデル、ハードウェアの品質、サポートのレベルが、ABB社の両部門にとって適切であると確信しました。そして地元のトロテック・ショールームでデモンストレーションを行った後、2016年、デビットはSpeedy 300 flexxを購入し、トロテックのレーザー加工機がABB社に設置されたのです。
購入の決定には、トロテックマシンの品質にサポートネットワークが加わり、確固たる確信を持てました。2種類の発振器を搭載したレーザー加工機によって、生産とプロトタイピングの範囲が広がり、アウトソーシングの時間と費用の両方を節約できます。
2台目の導入により、生産性を倍増
ABB社の製造プロセスにレーザー加工技術が導入されたことで、製品開発プロセスに新しいレベルのプロ意識と生産性も生まれました。またSpeedyレーザー加工機には、汎用性、そして時間とコストの節約というメリットがあり、大きな投資収益率を得ることができたのです。
何よりもまず、両方の部門が開発をアウトソーシングに依存しなくなったため、プロトタイプを部門内で制作・開発できるようになり、リードタイムとコストを削減できるようになりました。自社部門でプロトタイピングができることは、特に複数の設計に繰り返しが必要になった場合、顕著に現れます。
加えてflexxモデルのレーザー加工機は、さまざまな製品をマーキングするために最大限の柔軟性を発揮してくれます。例えば、ファイバーレーザー光源で、表面処理されてない金属板(ブランクメタル)に直接マーキングすることが可能です。CO 2レーザー光源でもマーキングスプレー※を使用すると、アルミニウム部品に鮮やかな黒いマーキングが施せます。
また本来の目的である部品マーキングに加えて、Speedyレーザー加工機は、アクリル、プラスチック、ゴム、および木材を効率的に加工することができるので、プロトタイピングが可能になりました。さらにSpeedyレーザーと一緒に購入したロータリーアタッチメントにより、円筒形の部品にも簡単にマーキングすることができます。
最初の導入から3年後、両部門は2台目のSpeedy 300 flexxレーザー加工機を購入しました。2台目への投資によって、ABB社は生産性を倍増させ、部門毎にレーザーカッターを使用できるようにしました。つまり、2台目のレーザーを追加することで、プロトタイピングと製品マーキングの両方でABB社の生産性が倍増したのです。それは両方の部門が1台のマシンを生産プロセスに利用して、もう1台のマシンは開発プロジェクトに使用できるようになったからです。
※トロテック・レーザー・ジャパンでは、金属マーキング剤はテープ及び液体タイプを販売しています。
デビット・ホスキンズは、生産環境において、ABB社が生産性と信頼性の両方を備えたレーザーカッターを選択することがいかに重要なのかを説明してくれました。
またデビッドは、トロテックから受けた継続的なサポートに満足しています。それは、トロテックがマシンの納品でABB社の特定の要件を満たすスケジュールに対応し、設置時にも追加のトレーニングを提供したからです。そしてトロテックのスタッフは最初の問い合わせ以降もサポートを継続し、ABB社に高品質の材料を提供し続けてくれています。デビッドは本当にこのレーザー加工機を購入して良かった、安心していると語ってくれました。
ABB社は、生産能力を拡大する鍵はレーザーテクノロジーの柔軟性にあると考え、将来に向けたレーザーの使用範囲をさらに検討しています。
トロテックの素材は品質が優れていて、完成品の仕上りも素晴らしいです。簡単に識別できるように、アルミニウム製造工具には(CO2レーザーで)強いコントラストがマーキングできる(金属マーキング用)サーマークスプレーを使用しています。ファイバーレーザー光源をアルミニウムに使用すると白いコントラストのマーキングになりますが、金属用マーキング剤とCO2レーザーを使用したマーキングにより、より鮮明な黒い印字と強いコントラストを表現することができます。