アクリルのコーヒーキャディー
数枚のアクリル板を重ねて、スタイリッシュなコーヒーキャディーをレーザー加工機で作ってみませんか。
手作りのキャディーで毎日のコーヒータイムを素敵なひとときに。
準備
材料
- ブラック系のアクリル板(キャスト材):
606 x 606mm、厚さ3mm - 透明アクリル板(キャスト材):
606 x 606mm、厚さ10mm - 透明アクリル板(キャスト材):
厚さ3mm(カップホルダーと底部分のパーツ用) - ライトイエローのフロスト加工(サンドブラスト加工)アクリル板(キャスト材):
厚さ3mm(Coffee Barの文字用) - 加工テーブルをカバーする物(例:紙)
※加工テーブルの吸引力が高くなります。 - アクリル用接着剤、または両面テープ
このサンプルのアクリル板は、トロテック・レーザー(オーストリア本社)が販売しているレーザー加工用の材料「トロテック商材」「TroGlassシリーズ」を使用していますが、日本では販売しておりません。類似品をご利用ください。
使用機種
- Speedy 400
- 120W
- 2.0と2.5インチレンズ
※アクリルのカット加工には、2.0インチレンズの使用を推奨します。
※他のSpeedyシリーズやSPシリーズの機種でも加工できますが、10mm厚のアクリルをカットするには、100W以上のレーザー出力が必要です。
アクセサリー
加工テーブル:アクリル カッティング グリッド、またはアクリル カッティング ブレード
ステップ・バイ・ステップ
ステップ1:カット幅の調整
レーザーカットでは、材料の気化とレーザー光の直径によってレーザー光自体のカット幅が発生します。つまりレーザーカットしたラインを基点から測ると、基点⇔内側のカットラインと基点⇔外側のカットラインまでの長さには違いが生じます。このレーザー光によってできるカット幅をカーフと言います。デザインを作図する際は、挿入パーツがぴったりフィットするようにカーフを計算してデザインしなければなりません。
コーレルドローの「等高線」(Contour)機能を使うとカーフを計算して作図できます。実際に必要なサイズにカットできるので、挿入するパーツがはめ込む箇所にフィットします。このサンプルではカーフを0.21mmに設定し、緑のカットライン全てが予め計算されたカーフ(カット幅)に適用するようになっています。
コーレルドロー「等高線」のコマンド
ウィンドウ > ドッキング ウィンドウ > 効果 > 等高線
ステップ2:デザインのデータ出力
このページ下のデザインファイル(pdf)をダウンロードして、グラフィックソフト(CorelDRAWまたはIllustrator)で開きます。
次に加工する材料やパーツ別にデザインデータを印刷出力して、レーザー加工機用データのジョブを作成します。グラフィックソフトで材料やパーツ毎にデザインを選び、印刷でプリンター「Trotec Engraver」を選択、環境設定をクリック、出力設定タブを表示して下記を設定します。設定が完了したら最後に印刷を押して、JobControl(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアにデータを出力しジョブを作成します。
印刷 > Trotec Engraver > 環境設定 > 出力設定
印刷のデータ出力設定
印刷設定(加工オプション)
加工モード | 解像度 | カットライン |
---|---|---|
標準 | 500 dpi | なし |
ハーフトーン調整 | その他 |
---|---|
カラー | 高度なジオメトリ 最初に内部ジオメトリ |
ステップ3:レーザー加工
各アクリル板をレーザー加工していきます。加工するアクリル板を加工テーブルにセットします。加工テーブル上の空きスペースを紙などで覆うと、加工テーブルの吸引力が強くなり加工品質をアップすることができます。
フォーカスレンズについて、3mm厚のアクリル板には2インチレンズ、10mm厚には2.5インチレンズを使用します。下から上に向かって加工していくと最適な仕上りになります。
JobControl(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアをPCモニターに表示し、ステップ2でデータ出力したジョブリストから加工する材料のジョブをJobControlのプレート上に配置します。次にJobControlの「材料テンプレート」を開いて、下記のパラメーターを設定します。パラメーターの設定後、材料のアクリル板を加工テーブルにセットし、レーザー加工を行います。
パラメーター設定
材料 | カラー | 加工の種類 | パワー (%) | スピード (%) |
---|---|---|---|---|
黒いアクリル:3mm | 黒 | 彫刻 CO2 | 12 | 20 |
黒いアクリル/ライトイエローのフロストアクリル:3mm | 赤、緑 | カット CO2 | 40 | 0.2 |
透明のアクリル:3mm | 赤、緑 | カット CO2 | 30 | 0.2 |
透明のアクリル:10mm | 赤、緑 | カット CO2 | 90 | 0.1 |
周波数 (ppi/Hz) | パス(繰返し) | エアアシスト | Zオフセット | アドバンス |
---|---|---|---|---|
500 | 1 | on | - | - |
5000 | 1 | on | - | - |
20000 | 1 | on | - | - |
20000 | 1 | on | -3 mm | - |
ヒント
1)このサンプルは、JobControlソフトウェアの標準パラメーター値を使用しています。標準的な材料のパラメーターデータは、下記のウェブサイトからダウンロードできます。
2)下から上へ加工するように設定すると、特に彫刻加工などは、塵やカスがよく吸引されるので仕上げのクリーニング作業が簡単です。
【設定方法】JobControl画面のメニューバーから「テンプレート」→「テンプレートの設定」の「開始位置」で「bottom」を選択します。
3)パラメーターは、加工する材料の材質や色、そしてレーザー加工機の機種やレーザー出力(W)によって異なります。仕上がりの良い最適な加工を検出するために、いくつかのパラメーターでテストすることをお薦めします。
ステップ4:組み立て
カットした各パーツを接着剤で組み立てます。組み立てる前に、必要であれば、水で湿らせた布やマイルドな洗浄力の洗剤を使って、カットしたアクリルパーツをきれいにしてください。文字とカップホルダーのパーツをベースの板に取り付けます。ネジ等でコーヒーバーのキャディーを壁に取り付けて完成です。カットした穴にコーヒーカプセルを入れてディスプレイしましょう。