
プリント&カット: 印刷物のレーザーカッティング
アクリルや木材、ポリプロピレン、段ボール、布、ポリスチレンなどの素材を使用し、デジタル印刷とレーザーカットを組み合わせた大判サインやディスプレイを、すでに製作されていますか?
高品質な大判看板やアクリル、木材、ポリプロピレン、段ボール、布、ポリスチレンなどの材料を用いたディスプレイの少量・大量生産に、デジタル印刷とレーザー加工機を活用していますか?
ワンポイントアドバイス:
デザインにトンボ(印刷位置の目印)を入れておくと、レーザーカッターで正確に印刷物の形をカットできるため、仕上がりがきれいになります。
レーザーならではのメリットは、常に均一で美しい仕上がりが得られることです。作業手順としては、必ず印刷を先に行い、その後カットするのが基本です。カットデータを準備する際は、グラフィック内のノードやアンカーポイント(線の分岐点)が少ないほど、レーザーがスムーズに動き、効率よくカットできます。
当ページでは、レーザーカット技術が役立つさまざまな用途をご紹介するとともに、プリント&カット作業で最高の仕上がりを得るためのアドバイスもご提供します。

レーザーカッターを使ったアクリル加工
アクリル(プレキシガラス®やパースペックス®など)は、看板製作で特に人気のある材料です。主な用途として、看板、電飾文字、案内板、建築模型のほか、エレクトロニクス、化粧品、食品、ドラッグストア、宝飾品業界といった幅広い業界でも店頭ディスプレイ用に活用されています。
注意するポイント:
- プリント&カットには、3~10mmの厚さのアクリルの使用を推奨します。
- アクリル押出板は、厚さの許容誤差が少ないため、部品同士を差し込んで組み立てる用途によく使われています。
- キャスト板は、主に店舗の造作、見本市の設営、POSディスプレイ、ビジュアルマーチャンダイジングに人気です。
- パーツや材料のサイズに合わせて適切なレーザー加工テーブル、材料の厚みに最適なレンズ、および排気システムを使用してください。
- 厚さが5mm以上の大型のアクリル加工には、ラメラテーブルがお勧めです。加工時に材料を支えるポイントが少ないことで、加工中の圧力や摩擦が軽減され、また、後方反射が少ないので、高品質な仕上がりになります。
アクリル加工におけるレーザーの主な利点:
- 美しい切断面で後処理が不要
- 工具の摩耗がなく交換不要
- 工具のメンテナンス・準備が簡単
- 切りくずの発生がない
- 複雑な形状も細部まで高精度で加工が可能
- 効率的な材料の使用が可能で無駄を削減
- 微小な切断幅
上記以外にも、レーザーにはさまざまな利点があります。
デジタルブック
デジタルブックでは、アクリル加工におけるレーザーとフライス盤の技術比較を詳しく解説しています。レーザーならコストを抑えて最適なビジネスソリューションを提供いたします。


プリント木材のレーザー加工
木材への印刷は、主に持続可能な分野における室内看板や販売スタンドなどで見られます。 例えば、ロゴ、ディスプレイスタンドや、高品質で自然を売りにした製品を魅力的に演出してくれる装飾として活用されています。
レーザーは精密な形状の加工も可能で、切断幅が微細なので、プリントした木製のパズルや組み立てキットなども最良の仕上がりが期待できます。
木材を加工する際、材料の表面をできるだけ清潔に保ち、高品質な仕上がりを得るためには、エアーコンプレッサーの使用が不可欠です。また、加工テーブルの吸引は、真空効果を最大限に活用し、材料を平らに設置するうえで重要な役割を果たします。
レーザーによる木材加工の利点:
- 材料の前処理や後処理が不要で、加工速度が速い
- 静かで切りくずがでないため衛生的
- 工具の交換が不要で、安定した品質を維持
- 精密な形状の加工が可能で、切断幅が微細

ポリプロピレンのレーザー加工
ポリプロピレンは、屋内および屋外での商品ディスプレイ用途や、モバイルPOS(販売時点情報管理)端末に広く使用されています。ダブルウォールシートとソリッドシートは区別され、用途によって使い分けられます。ダブルウォールシートは安定性が高く軽量であるため、小売店や展示会場での天井吊り下げ式ディスプレイや広告用パネル素材として最適です。
ダブルウォールシートおよびソリッドシートは、ランプ、展示用家具、卓上ディスプレイ、演台などの曲げ加工や折りたたみ用途に適しています。材料の繊維方向によって折りやすさが異なり、より折りやすくなっている方向があるので、折りたたむ際には繊維方向に注意が必要です。
発光する看板やディスプレイは顧客の目を引きやすいので、POSディスプレイにおける照明の活用はますます人気が高まっています。ポリプロピレンを用いることで、常設ディスプレイに照明を簡単かつ安全に組み込むことが可能です。
レーザーによるポリプロピレン加工の利点:
- 高速加工
- 切りくずが出ないので衛生的
- 工具の交換が不要で、安定した品質を維持
- 高精度のカッティングと繊細な形状も可能
- 切り口に亀裂が発生しない

印刷段ボールのレーザー加工
環境に優しく費用対効果の高い期間限定ディスプレイ。一般的には、段ボールやラミネート加工されたボール紙、厚紙などで製作され、オリジナルのデザインを印刷することが可能なので、切り抜き加工や、商品ディスプレイ、屋内での販売促進、POSや、イベントなどの看板や装飾など、幅広く活用されています。
ナイフや型抜きなどの代替技術と比較して、レーザーには下記の利点があります:
- 非接触でカットするため、加工物を機械に固定する必要がない
- 材料にダメージを与えず、段ボールなどの軽量素材ならば迅速かつ簡単に切断が可能
自由度の高いデザインが可能で、複雑で繊細な形状も正確にカットできます。

ポリスチレンのレーザー加工
ポリスチレン製の軽量発泡シートは、非常に軽く、寸法が安定しており、加工しやすいことが特徴です。Smart-X®という商標でも知られるポリスチレンは低コストなので、POS/POPなどの一時的なディスプレイに向いています。店舗デザインや設備、広告ディスプレイ、ショーウィンドウのデザイン、パーティション、外装など幅広い用途で使用されるほか、模型製作にもよく使われています。
※Forex®は発泡ポリ塩化ビニル素材で、レーザーでの切断には適しません。一方、カット加工に特化して開発されたSmart-X®は、一般的に厚さ5~10mmの用途に最適です。
注記:こちらの用途では温度管理が重要であり、良質な仕上がりを得るにはエアーコンプレッサーの使用が不可欠です。そうすることで、材料の変色も防ぐことができます。
低密度で軽量なポリスチレン発泡シートをレーザーで加工する利点は:
- シートを効率よく使えるため無駄が少ない
- 内側の輪郭がほぼ直線的で、細かい形もきれいに加工可能
- 切りくずが出ず衛生的
- 材料の固定が不要
- 工具の交換が不要で、安定した品質を維持