高品質レーザーを選ぶべき理由
高品質レーザーと低品質レーザーの違い
高品質と低品質レーザーの違い
マシンの品質やスペックが低レベルのレーザーは、価格的には魅力的ですが、仕上りの結果や耐久性はもちろん、操作性と安全性の点でも、高品質でハイスペックなレーザーとは異なります。さらに初期の導入費用だけでなく、ライフサイクル費用も考慮するとその相違は大きいでしょう。高品質と低品質レーザーの主な違いは、次の項目になります。
彫刻とカットの仕上りの質.
上質な彫刻とカットの仕上りには、次の点が重要です。
- レーザー発振器
- モーター
- レンズ
- レーザー機と集塵機の連動
1.レーザー発振器
一般的に中国製(中華)レーザーに多く搭載されているのがDCガラスレーザー管です。一方、当社のレーザー機(Speedy&SPシリーズ)や西洋ブランドに搭載されているのがセラミック製RFレーザー管です。
DC ガラス レーザー光源:DC = Direct Current(直流)
レーザー光源の共振回路(=レーザー放射が発生するポイント):ガラス製
速度 : 最大加工速度1 m/s 、 最大加速度1 G
品質 : ガラス管のパルス化する速度は低速です。そのため、高速加工によるシャープな彫刻はできません。また3ポイント程度の小さなフォントは不明瞭な文字の彫刻になります。6~10ポイントの文字なら読める彫刻ができるでしょう。
RF レーザー光源:RF = Radio Frequency(無線周波数)
レーザー光源の共振回路(=レーザー放射が発生するポイント):金属またはセラミック製
速度: 最大加工速度2.5 ~ 4.3 m/s 、最大加速度5 G
品質:RF レーザー管では、小さな文字のフォントも明瞭に彫刻することが可能です。高速で彫刻しても仕上りの差はほとんどないでしょう。
2.モーター
高速な彫刻を可能にするには、サーボモーター、そして伸びるのを防ぐためにスチール材で補強されたベルトが必要です。当社トロテック製をはじめ、西洋ブランドの装置ではこの2点が標準装備されています。一方、典型的な「中国製のレーザー」に装備されているのは、ステッピングモーターとプラスチック製のベルトです。
3.レンズ
RF レーザー管なら、材料の表面全体に均等なクオリティの彫刻が可能です。その理由は、高品質なレンズを使って、レーザーが適切に照射されているからです。一方、DCレーザー管の場合、ビームパスが長ければ長いほど、ビーム径が大きくなります。例えば、加工エリア1300 x 900 mmの場合では、パフォーマンスに最大15%の差が生じます。特にカット加工では、目に明らかな差が断面に見えるでしょう。
信頼性、メンテナンス性、耐久性
仕上りの加工品質に加えて、メンテナンス性と費用も考慮しなければなりません。
- アジアブランドのプラスチック製ベルトは、約1カ月に一度、定期的に潤滑油などで滑りやすくする必要があります。トロテックのレーザー加工機は、独自技術のInPack(インパック)テクノロジー™によって、加工エリア内で発生するガスや粉塵から光学部品や駆動部品を防護します。
- ガラス製レーザー管の一般的な保証期間は1年です。トロテックの場合は、発振器だけでなく、レーザー加工機全体を保証します。また有料の保守サービス(トロテック・プロテクション・プラン)に加入すれば、最長10年間のサポートが受けられます。
- ガラス製レーザー管の耐用期間は約 1,000 時間と言われ、その後は処分しなければなりません。RF レーザー管の場合、一般的に 5~6 年間は安定稼働しています。出力が落ちた場合には CO2 ガスを充填したり、発振器を交換することで、耐用年数をのばすことができます。またレーザー管は再利用が可能なので、無駄も削減できます。
操作性
機械の良さは、使い易さも大きく影響します。トロテックのレーザー加工機は、製品開発の段階でワークフロー全体を考慮し、直感的に操作できるように設計されています。マシンの設計から始まり、オートフォーカス、材料別に最適な加工テーブルとレンズ、推奨パラメーターのプログラムされたソフトウェアに至るまで、これらの項目をクリアにしていきます。
中国製のレーザーは確かに稼働しますが、生産性の高いレーザーとして最適化されているとは言い難いでしょう。
安全性
ガラス製レーザー管は高電圧で稼働しています。またガラス製レーザー管を搭載しているアジア製のレーザー加工機は、一般的にヨーロッパの安全基準に準拠していない製品も多くあります。トロテックのレーザー加工機は、CEマークに適合しており、EC 機械指令 2006/42/EC の要件を満たしています。さらに、トロテックは自社の品質方針を設定し、実施しています。トロテックの生産工場は、ISO 9001およびISO 14001の認証を取得しています。
結論:「中国製レーザー」はエントリーモデルとして最適なレーザーなのでしょうか?
確かに、初期投資が少ない「中国製レーザー」は魅力的です。特に趣味で使用する場合、価格が購入条件の主な要因となります。また学校や大学では、加工エリアが広くて高出力のレーザーを限られた予算で導入できるので、中国製レーザーが使用されています。でも、その対価とは?大学等の教育機関、または ファブラボのような公共施設では、レーザーユーザの安全を保証しなければいけません。なぜならこのような公共の場所では、簡単な入門講習を受けた後、個人のユーザーが使用するからです。
保守や消耗品にかかる費用も価格には含まれません。レーザー管の交換や、マシンのダウンタイム費用を考慮すると、中国製レーザーに伴う費用はかなり高くなるでしょう。
レーザー加工機と集塵機との連動性も品質と生産性に関わる重要なポイントの一つです。トロテックの Atmos集塵脱臭装置は常時レーザー加工機と連動しています。例えば、レーザー加工が開始すると、集塵機も自動でスタートします。もちろんレーザー加工が終了すると自動でオフモードになるので、集塵機のスイッチオン/オフは必要ありません。さらに集塵機は、加工エリア内で発生した粉塵やガスを吸引するので、レーザーが照射する材料表面の汚れを軽減でき、最適な加工が行えます。
結論として、ビジネスや生産性に効果的なレーザーをお求めでしたら、高品質のレーザー加工機をおススメします。初期費用を抑えたい場合は、リース会社を通した導入も可能ですのでご検討ください。