レーザー加工機の適切な環境温度とその重要性
レーザー加工の精度や品質を維持するためには、レーザー加工機の環境を常に適切な温度で管理することが大切です。特にレーザー加工機の心臓部といえるレーザー発振器は、温度変化に影響されやすく、レーザー出力が低下したり、機器の稼働が鈍くなったり、さらには発振器の寿命、つまりレーザー加工機の耐用年数を左右します。マシン本体の耐用年数を長くするためにも、レーザー加工機を正しく温度管理した環境でご使用ください。
最適な環境条件
以下はトロテック・レーザー加工機に適した環境温度です。この数値を目安にレーザー環境の温度管理を行ってください。
【室温】+15 °C~+25 °C
【相対湿度】45%~65% ※マシン本体に直射日光を当てないようにしてください。
【相対湿度】45%~65% ※マシン本体に直射日光を当てないようにしてください。
寒い季節の注意点
寒い冬の季節は気温が低下し、特に夜になると、室温がレーザー加工機の適正環境15°Cより低くなる場合があります。室温が15°Cより下がると、レーザー発振器が収縮し、マシン本体の損傷につながる可能性があります。また、潤滑剤やオイルが硬化して、部品にも影響を与える危険があります。
<対処法>
- 暖房機やエアコン等で室温が15 °C以下にならないようにしてください。室内の温度を上げる際には、室内温度をゆっくりと温めてからレーザー加工機を稼動することをお奨めします。
- レーザー加工機を熱源の近い場所に置かないでください。冷却空気に暖かい空気がはいり込み、機器がオーバーヒートによって停止する可能性があります。
水冷式レーザー発振器*の場合
チラー部分を断熱フードなどで覆って、寒さから発振器を保護してください。冷却水が15 °C以下になった場合は、安全上の理由により、マシンの電源が入らないようになっています。暑い季節の注意点
暑い夏の季節、レーザー加工機は、太陽の熱とエアコンの冷気の両方にさらされる危険性があります。特に室内が高温になると、マシンの機能に悪影響を及ぼす場合がありますので、エアコン等で室内を適正温度にしてください。
<対処法>
- レーザー加工機が窓の近くに設置されている場合は、ブラインドかシャッターを閉めて、直射日光を避けてください。
- レーザー加工機やアクセサリーをエアコンの風が直接当たるところに置かないでください。冷風により部品を過度に冷却してしまう可能性があります。
- 室内の空気を循環してください。室内の空気を適切に循環させることにより、熱の上昇を防ぎます。時々窓を開いて換気をしてもよいでしょう。