株式会社ビッテ
2015年創業の株式会社ビッテ(東京都大田区)は、プラスチック製品を中心とした雑貨アイテムのメーカーです。デザイン性や品質の高さを強みとして、自社製品の開発、販売から、OEM製品の企画開発、プロデュース、デザインコンサルティングも手がけています。OEM製品では、テーマパークや観光施設、音楽ライブのグッズ製作の実績があります。新商品開発に役立てるためトロテックのSpeedy 300を導入しました。導入後のメリットについて同社のデザイナー、江藤さんにお話しをうかがいました。
プラスチック製品を中心とした雑貨アイテム
東京都大田区大森北2-4-11 米山ビル 3F
Speedy 300
金型代を節約してOEMの試作や自社商品の開発に取り組みたい
当社は、キッチン用品やステーショナリーなどプラスチック製品を中心とした雑貨アイテムの製造メーカーです。自社のオリジナル商品も作っていますが、メインとなるのは他社のOEM製品。例えば、テーマパークのイベントグッズや水族園のフォトスタンド、音楽ライブのアーティストグッズといった物販商品です。それらを当社で企画・開発してデザインを行い、中国や国内の協力工場で金型を用いて製造していました。
しかし、そのやり方では金型に高額なコストがかかります。顧客に提案するためのサンプルの製作にも時間とコストがかかります。そこで、 OEM製品の試作や自社商品の幅を広げるため、2017年にトロテック社のレーザー加工を導入しました。
もともと当社には「自分たちが好きなものを作ろう」というモットーがあります。Speedy300の導入によって、平面的なプリントから立体物を生み出せるようになり、当社のものづくりの幅は大きく広がったと思います。
レーザー加工機を導入する際は、他メーカーのマシンも比較検討したうえでSpeedy 300を選びました。決め手となったのは、アクリルカットが他社のマシンよりもキレイに切れると感じたからです。導入後は、Speedy 300を使ってマドラーのような飲食に使うものを作っていますので、切断面の滑らかさや、細くてもひびが入ったり折れない性能が必要です。フォトスタンドも傾いたりぐらつかないよう真っ直ぐ精密にカットできなければなりません。その点で、Speedy 300は安心して使える性能を持っています。
カットマークを読み取るカメラが付いているのもSpeedy 300を選んだ理由です。UVプリンターでプリントしたアクリル板をカットする際に、位置合わせを考えなくて良いので手早く加工が出来ます。また、当社はビルの中の室内で加工を行っているため、集塵機の性能も吟味しました。トロテック社の集塵脱臭機は密閉した室内でも臭いを出さず、音も静かです。
大量生産の需要が減少する中、オンデマンドで作るグッズを提案
Speedy 300を導入した当初は、主に自社商品の製造に使用していましたが、2020年のコロナ禍では、OEM製品に積極的に活用するようになりました。その理由として、テーマパークや観光施設、イベントなどで量産品のグッズが敬遠されるようになったという背景があります。緊急事態宣言などの規制がかかれば、イベントが中止になったり、観光施設が入場制限になったりというケースも考えられます。どれだけ売れるか先が見通せない状況で、金型代を投資して数カ月かけてグッズを作ることへのリスクが懸念されるようになりました。
そこで当社は、UVプリンターとレーザー加工機を使ったマドラーやフォトスタンド、アクリルスタンドなどを提案しました。これなら高額な金型代も不要で、直前に必要な量だけをオンデマンドで作ることができます。大量生産ではないため、季節に応じて色やデザインを変えることも可能です。施設やイベント主催者からは、アイデアやイベント内容次第で気軽にグッズを作ることができると好評で、当社の売上げはコロナ禍でも好調に推移しました。
営業マンでもサンプルの作成ができるため、商談がスピーディーに進む
レーザー加工機を導入したことによる営業的なメリットは、「シーズンや状況に応じてオンデマンドでグッズが作れる」だけではありません。当社の営業マンが事前に自らサンプルを作って客先に持って行けるため、提案しやすいのです。さらに、試作や製造にすぐ取りかかれるので「お客さまの気持ちが熱いうちに商談を進められる」と、営業マンから好評です。
サンプルの製作を営業マン自身が行えるのも、トロテック社のレーザー加工機ならではの特長です。同社のレーザー加工用ソフトウェア「Ruby®」を使えば、Adobe Illustratorなどのソフトが操作できなくても、加工用のデータをドラッグ&ドロップするだけでレーザー加工が行えます。当社では、サンプル用のデータは製作部門のデザイナーが作りますが、レーザー加工は営業マン自身が行っています。製作部門の手を煩わせずに営業マンが商談時間に合わせてサンプルの準備が出来るので、会社全体の生産性向上に繋がっていると思います。
今後は、Speedy 300をさらに活用して、革製品や木工品などプラスチック製品以外のグッズづくりに幅を広げていきたいと思います。